AutoCADには、大きく分けて モデル空間 と レイアウト空間 の2つの作業スペースがあります。
モデル空間は、実際の寸法どおりに図形を作成する「現実世界」のような場所です。一方、レイアウト空間は、作成した図面を用紙に配置して印刷するための「紙の上」のような場所です。
この2つの違いを理解すると、図面の作成から印刷までの流れが明確になり、AutoCADをより効率的に使えるようになります。
この記事では、モデル空間とレイアウト空間の役割や違いについて、初心者にも分かりやすく解説します。
モデル空間(現実)とは?

モデル空間は、実際の形状や寸法をそのまま描くための作業スペースです。
例えば、手すりの長さが3000mmならモデル空間でも3000と入力して作図します。
つまり、1:1(実寸)で作図する空間です。
上画像の左下の「モデル」タブをクリックした状態の画面が「モデル空間」です。
モデル空間で行うこと
モデル空間では、実際の建物や製品の形状を1:1の実寸で作成します。
図面の元となるデータを作る場所であり、基本的な作図や修正のほとんどはこの空間で行います。
- 線、円、ポリラインなどの図形を作成する
- ブロックを作成・配置する
- 3Dモデルを作成する
- 寸法や注釈を記入する
- レイヤーを使って図面を整理する
- 図形の修正や編集を行う
モデル空間の特徴
モデル空間は、現実世界の寸法をそのままCAD上に再現するための作業スペースです。
実際の長さや大きさをそのまま入力して作図するため、縮尺を意識せずに正確な図形を作成できます。
- 常に1:1(実寸)で作図する
- 実際の建物や製品をそのまま表現する
- 図面の元データを作成する場所である
- 修正は基本的にモデル空間で行う
- 2D図面だけでなく3Dモデルも作成できる
イメージ

モデル空間は、実際の建物や製品を作るための「工場」や「現場」のようなものです。
ここで正確な形状を作り、それを後から用紙に配置して印刷します。
上画像のように半無限に作業空間が広がっています。
レイアウト空間(用紙)とは?

レイアウト空間は、モデル空間で作成した図形を印刷用の用紙に配置するための作業スペースです。
A1、A3などの実際の紙サイズを設定し、その上にビューポートを作成して図面を表示します。
つまり、印刷用の紙面を作る空間です。
上画像の左下の「1」タブをクリックした状態の画面が「レイアウト空間」です。
その横の「+」をクリックすると何枚でもレイアウト空間が作れます
レイアウト空間で行うこと
レイアウト空間では、モデル空間で作成した図形を印刷用の用紙に配置します。
縮尺の設定やタイトルの配置を行い、最終的な印刷レイアウトを整える場所です。
- 用紙サイズ(A1、A3など)を設定する
- タイトルブロックを配置する
- ビューポートを作成する
- 縮尺(1/50、1/100など)を設定する
- 注釈や図面番号を配置する
- 印刷設定を行う
レイアウト空間の特徴
レイアウト空間は、実際の紙の上で図面を配置する感覚で作業できる空間です。
モデル空間で作成した図形を適切な縮尺で表示し、印刷結果を確認しながら調整できます。
- 実際の用紙サイズで作業する
- 縮尺を自由に設定できる
- 同じ図形を複数の縮尺で表示できる
- タイトルブロックや注釈を配置できる
- 印刷結果を確認しながら調整できる
- 最終的な図面の見た目を整える場所である
ビューポートとは?

ビューポートは、モデル空間を覗き込む「窓」のようなものです。
この窓の縮尺を1/50や1/100に設定することで、実寸で描いた図形を用紙上に適切な大きさで表示できます。
ビューポートを配置し尺度を調整することで、画像のようにA3用紙(297×420)内にモデル空間の図を配置することができます。
イメージ
レイアウト空間は、完成した図面を紙に印刷するための「机の上」のようなものです。
工場で作った製品(モデル空間)を、紙の上に並べて見やすく整理する役割があります。
まとめ
モデル空間とレイアウト空間の違いを一言で表すと、次のようになります。
- モデル空間 = 現実のものを実寸で作る場所
- レイアウト空間 = 用紙の上に配置して印刷する場所
まずモデル空間で正確な図形を作成し、その後レイアウト空間で縮尺や用紙サイズを設定して印刷します。
この考え方を理解すると、
- 実寸で作図する理由
- 縮尺をどこで設定するのか
- なぜビューポートが必要なのか
といったAutoCADの基本が自然と理解できるようになります。
AutoCADを効率よく使うためには、この2つの空間の役割をしっかり理解しておくことが重要です。


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