【参考書】「AutoCADで3Dを使いこなすための97の方法」のレビュー

  • URLをコピーしました!
凛(りん)

この記事では、AutoCAD3Dの参考書「AutoCADで3Dを使いこなすための97の方法」を紹介しますよ。

仁(じん)

実践的な内容で初心者〜中級者にオススメできる参考書です。

この参考書の評価項目評価 (総合評価 4/5)
基本操作(直線的なモデル形状の作成や配置)
応用操作①(3Dモデルを2Dに変換、面積・体積の出し方)
応用操作②(3次元的に斜めを多用するようなモデルの作成)
この参考書の感想

AutoCADの操作にある程度慣れた人(半年程度〜)がAutoCAD3Dを始めるのに最適な本という印象。

この本を読んで練習すれば、AutoCAD3Dの中級者レベルのノウハウを得ることができそうです。

ここで言う中級者とは、「直線的な形状の3Dモデルを作成」「3Dモデルで形状の把握・干渉確認」「3Dモデルから2Dに変換し、図面に反映」「3Dモデルから面積や体積を求める」など、ある程度業務で使えるレベルのAutoCAD3Dの技術を得た人を指します。

AutoCAD3D中級者になるためのノウハウは一通り書いてあり、さらにその上の「3次元的な斜め形状の3Dモデル作成」や「3次元的に斜めの位置に配置する3Dモデル作成」など、上級レベルのAutoCAD3Dの技術を得るために必要になるノウハウも書いてあるので、後々、「3次元的な斜めの形状の3Dモデル」を描く際に役に立ちます。

とりあえず、この参考書を読めば、斜めのモデルを描く上級レベルまでは行かないが、ある程度のモデルを作成し、活用できる中級者レベルまでのノウハウを得ることができるので、総合評価星4/5でオススメの参考書です。

この参考書は、下記のように第1章〜第8章の構成になっています。

内容
第1章基本操作
第2章輪郭・3Dの線の作成
第3章サーフェスの作成
第4章ソリッドの作成
第5章3Dモデルの配置
第6章3Dモデルの表示
第7章検討・図面作成
第8章トラブル解決&操作のヒント
仁(じん)

各章を読むことで何ができるようになるか解説していきます。

Contents

第1章 基本操作

凛(りん)

3Dを始めるにあたり、基本的な操作の説明が書いてある章です。

第1章 基本操作

No.内容
013Dモデルの基本
023Dモデル作成の準備
033Dの画面操作
04輪郭作成の基本操作
05サーフェス作成の基本操作①押し出し
06サーフェス作成の基本操作 ② ロフト
07ソリッド作成の基本操作①
08ソリッド作成の基本操作②
09ソリッド作成の基本操作③
この章で分かること

「01」では「サーフェス」や「ソリッド」などの3Dモデルの種類の説明、「02」では始める前のオプション設定の説明、「03」ではビューキューブを使用した画面操作とマウスを使った画面操作の説明がされています。

「04」〜「09」では、3Dモデルの作り方の大まかな説明が書かれており、UCSのXY平面上に断面を描いて、Z軸方向に押し出して高さを設定して3Dモデルを作るというAutoCAD3Dのモデルの作り方すべてに共通する基本的な説明が書かれています。

この章を読むだけで、「画面の見方」「画面のカメラの操作方法」「モデルの基本的な作り方」を理解することができます

第2章 輪郭・3Dの線の作成

仁(じん)

3Dの断面を描く上で必要な平面選択の役割に焦点を当てている章です。

第2章 輪郭・3Dの線の作成

No.内容
10輪郭を作成する平面を選択
11既存図面から輪郭を作成
12輪郭を他の平面にコピー
13穴の開いた輪郭を作成
14同一平面上の線をつなげて輪郭を作成
153D ポリラインを作成
163D空間の線をつなげて3D ポリラインとして結合
17側面図と平面図から3Dの線を作成
183Dの線に垂直な平面を設定
19スプラインをポリラインに変換
20座標から3Dポリラインを作成
この章で分かること

「10」では、UCS(XYZ座標系)の操作について書かれており、「11」では、既存の図面の図形を3Dモデル空間に持ってきて断面にする方法が書かれています。

AutoCAD3Dは、モデルの断面をXY平面上に描いてからZ軸方向に押し出してモデルを作成します

UCSを操作してXY平面の向きを変えて、モデルを横方向に押し出したりするので、UCSの操作は重要です。

「12」では、リージョンを使い穴の開いた断面を作り押し出すことで穴の開いたモデルを作れます。

「14」〜「20」は、あまり使用しませんが、いずれもUCSの向きが重要だと分かる内容になっています

No.11「既存図面から輪郭を作成」のサンプルページです。

第3章 サーフェスの作成

凛(りん)

モデルの詳細な部分の補完に役立つサーフェスの説明の章です。

第3章 サーフェスの作成

No.内容
21輪郭から垂直方向にサーフェスを作成
22形状の異なる輪郭からサーフェスを作成
23穴埋めのサーフェスを作成
24サーフェスをトリム (切り取り)
25サーフェスを延
26サーフェス上に線を作成
27サーフェス上に点を作成
この章で分かること

この章の内容は「サーフェス」について書かれています。「サーフェス」は「表面」と言う意味で、表面の形状を作ってから「サーフェス」に厚みを持たせてからソリッドを作れます

「サーフェス」は表面の複雑な形状を作れるので車のボディなど曲線を多用するモデルに向いています。

AutoCADを使用した業務は、板金を曲げて作る製品が多いと思うので、あまり「サーフェス」は使用しないともいますが、「サーフェス」の面でソリッドを切断(No.43に記載あり)したり、斜めの空間に板金を配置するときに板金の頂点を繋いで「サーフェス」を繋いでから厚さを持たせて、斜めに配置する板金のモデルを作ったりと、局所的に便利なので流し読みして頭に入れておけば、後々の勉強に活かせます。

No.24「サーフェスをトリム(切り取り)」のサンプルページです。

第4章 ソリッドの作成

仁(じん)

様々な形状のソリッドの作成方法を解説する章です。

第4章 ソリッドの作成

No.内容
28輪郭から垂直方向にソリッドを作成
29押し出す方向を指定してソリッドを作成
30押し出す方向をパスで指定してソリッドを作成
31形状の異なる輪郭からソリッドを作成
322方向の平面の輪郭からソリッドを作成
33輪郭を両方向に押し出してソリッドを作成
34ソリッドに穴を作成
35ソリッドの曲面に穴を作成
36ソリッドの角を丸く作成
37ソリッドの面取り(ハンチ) を作成
38ソリッドに空洞 (開口部)を作成
39ソリッドの先端を丸く作成
40ソリッドの面と面を連結
41ソリッドを結合
42ソリッドをUCSの平面で分割
43ソリッドをサーフェスで分割
44離れているが1つのソリッドを分離
45ソリッドの穴を削除
46外形線をソリッドに変換
47サーフェスをソリッドに変換
48ソリッドを3D面に変換
49メッシュをソリッドに変換
この章で分かること

様々な形状のソリッドの作り方の説明がされており、この章が3Dモデルを作る上で1番重要になってきます。

「押し出し」「スイープ」「ロフト」「ブール演算」「Ctrl変形」「ソリッドに穴を作成・削除」「フィレットエッジ」「面取りエッジ」「シェル」「スライス」「サーフェスでソリッド切断」「ソリッドの分離」などソリッドの作り方が一通り網羅されています。

AutoCAD3D歴10年以上の私から見ても、ここまでしっかりとモデルの作り方が載ってる参考書は見たことありませんし、どの操作も業務で使っているものばかりなので非常に参考になると思います。

この本には、載っていませんが斜めの空間に配置するようなモデルを作る際にも、この章のソリッドの作り方は重要なので、まずはこの章を読んで中級者レベルのノウハウを得ることが重要になります。

No.41「ソリッドを結合」のサンプルページです。

第5章 3Dモデルの配置

凛(りん)

作成したモデルを移動、反転、回転など配置に関する章です。

第5章 3Dモデルを配置

No.内容
503Dモデルを反転
513Dモデルを回転
523Dモデルの向きを変更して移動
533Dの線に沿って3Dモデルを複写
54サーフェス上の任意点に3Dモデルを配置
55サーフェス上の目的点に3Dモデルを配置
56点を指定して3Dモデルを位置合わせ
57座標値を指定して一方向に3Dモデルを移動
582点を指定して3Dモデルを位置合わせ
593Dモデルを読み込み
60Navisworksのデータをアタッチ (参照)
61FBXデータを読み込み
62点群をアタッチ (参照)
633Dモデルを書き出し
この章で分かること

この章では、作成したモデルの移動方法について書かれています。

「移動」「反転」「回転」など2Dの作図でも使用する移動方法の3D版の説明がひと通り網羅されてます

2Dの場合でも、作図した図形を移動するとき移動方法を知らなかったら非常に不便ですよね?

3Dでも図形を移動でいなかったら不便なので2Dと同じです。

この中で個人的には「58」の「モデルの位置合わせ」が結構重要だと感じます。

この本では「2点指定による位置合わせ」の説明しか書いていませんが、「斜めのモデル」を作るときに「3点指定による位置合わせ」をかなり使用するので、後々の勉強のために頭に入れておいた方がいいかもしれません。

No.51「3Dモデルを回転」のサンプルページです。

第6章 3Dモデルの表示

仁(じん)

3Dの作業に関わる表示設定やレンダリングの解説の章です。

第6章 3Dモデルの表示

No.内容
64表示スタイルを変更
65平行投影ビュー/パースビューを切り替え
66作図領域を分割して表示
67選択した3Dモデルのみ表示/非表示を切り替え
68任意の面を正面にして表示
69ソリッドを分割して断面を表示
70点群を分割して断面を表示
71マテリアル (材質) を設定
72マテリアルの方向を変更
733Dモデルに画像を貼り付け
74ソリッドの面を分割して別の色に変更
75カメラを設置
76ウォークスルーを設定
77レンダリング画像を作成
この章で分かること

3Dモデルの作業に関わる表示設定の説明が記載された章です。

「64」の「表示スタイルを変更」では「ワイヤーフレーム」「リアリスティック」「X線」などの表示スタイルの変更の仕方が載っており、「X線」でモデルを透過させて向こう側を見たり、作業や打ち合わせ時に分かりやすくする表示方法の説明がされてます

特に「66」の「作業領域を分割して表示」は便利で、作業領域を2画面にすることで同じモデルを「斜めから見た画面」と「平面から見た画面」に分けれるので、斜めから見た画面で作業しながら平面ではどんなふうにモデルが配置されているかを確認できます

建築では平面から建物を見ることが多いので、この技を使えば斜めの画面で作業しながら平面の状態を確認できます。

他は、レンダリングについて書かれており、直接的には設計業務には関係ないですが、結構面白い部分なので読んで損はないです。

第7章 検討・図面作成

凛(りん)

3Dモデルを活用し体積を求めたり、投影図の作成を解説した章です。

第7章 検討・図面作成

No.内容
783Dモデルに寸法を作図
792D 図面を3Dモデルに貼り付け
80ソリッドの面積を確認
81ソリッドの体積を確認
82ソリッドの重心を確認
83ソリッドの干渉を確認
843Dモデルの投影図を作成
853Dモデルの断面図を作成
863Dモデルに断面線を作成
87点群に断面線を作成
この章で分かること

この章では、作成したモデルを活用して設計検討に利用する方法が書かれています。

「78」の「3Dモデルに寸法を作図」を使用すれば、3Dで分かりやすい上に寸法も伝えることができます。

「81」の「ソリッドの体積を確認」を使用すれば、鉄の比重を体積に掛けて製品の重さを簡単に出せます。

「84」の「3Dモデルの投影図を作成」では、3Dモデルから2Dで使う投影図を作成できるので、3Dモデルで検討し、変換して2Dの図面に貼り付けて使用できて便利です。

「81」と「84」の技は、設計業務で頻繁に使用するので覚えておきましょう。

No.84「3Dモデルの投影図を作成」のサンプルページです。

第8章 トラブル解決&操作のヒント

仁(じん)

3Dモデル作成の際に遭遇するトラブルなどをまとめた章です。

第8章 トラブル解決&操作のヒント

No.内容
88ViewCubeの方向が変わってしまう
89画面の回転が意図どおりに行えない
90UCS アイコンが表示されない
91UCS が意図しない方向に変更される
92曲面の輪郭が表示されない
93面やエッジをフィルタ (選別) して選択
94面に隠れているエッジを選択
95作図領域の背景色を変更
96ボタンが見つからない
97オブジェクトスナップが表示されない
この章で分かること

3Dモデルを行う上で遭遇するトラブルの解決方法について書かれた章です。

もちろんすべてのトラブルは、コレだけでは解決できませんが、「90」の「UCSアイコンが表示されない」では、結構UCSアイコンが消えることがあるので表示方法を覚えておくといいでしょう。

「91」は「ダイナミックUCS」の説明で、モデルの面にカーソルを持っていくとUCSのXY平面が自動でソリッド面と同じ向きになる機能です。

これを使うとソリッドの面に対して断面を描くときにUCSを手動で変更する手間が省けます。

個人的に「89」は知らなかったのですが、AutoCAD3Dのカメラの回転はモデル空間上にあるすべてのモデルの重心を中心にして回転するので、モデルが複数あると意図しない位置で回転して操作がしにくいです

「89」では、その重心の位置を変えることができるそうなのでカメラの回転がし易くなるみたいです。

まとめ

凛(りん)

今回は、AutoCAD3Dの参考書「AutoCADで3Dを使いこなすための97の方法」を紹介しました。

この参考書の感想

AutoCADの操作にある程度慣れた人(半年程度〜)がAutoCAD3Dを始めるのに最適な本という印象。

この本を読んで練習すれば、AutoCAD3Dの中級者レベルのノウハウを得ることができそうです。

ここで言う中級者とは、「直線的な形状の3Dモデルを作成」「3Dモデルで形状の把握・干渉確認」「3Dモデルから2Dに変換し、図面に反映」「3Dモデルから面積や体積を求める」など、ある程度業務で使えるレベルのAutoCAD3Dの技術を得た人を指します。

AutoCAD3D中級者になるためのノウハウは一通り書いてあり、さらにその上の「3次元的な斜め形状の3Dモデル作成」や「3次元的に斜めの位置に配置する3Dモデル作成」など、上級レベルのAutoCAD3Dの技術を得るために必要になるノウハウも書いてあるので、後々、「3次元的な斜めの形状の3Dモデル」を描く際に役に立ちます。

とりあえず、この参考書を読めば、斜めのモデルを描く上級レベルまでは行かないが、ある程度のモデルを作成し、活用できる中級者レベルまでのノウハウを得ることができるので、総合評価星4/5でオススメの参考書です。

仁(じん)

AutoCAD3Dの中級者レベルまでのノウハウが分かりやすく描いてあるので、非常にオススメな一冊になっています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

Contents