ソリッドの中身をくり貫きたいときは、どうすればいいの?
「シェル」を使うとソリッドの中身をくり貫くことができます。
「シェル」を使うとソリッドの中身をくり貫いて新しい形状のソリッドを作成できます。
この記事を読む前に「基礎知識編」「基本操作編」を読むとよりAutoCAD 3Dが理解できます。
AutoCADを本格的に勉強したい方は、こちらの参考書がおすすめです。
「シェル」でソリッドを作成する
「シェル」は、ソリッド編集コマンド「SOLIDEDIT」内のメニュー「シェル」から選択できます。
※「シェル」は、専用コマンドがありません。
「シェル」の使い方を説明します。
コマンドエイリアス「SOLIDEDIT」を入力し、エンター。
「ソリッド入力オプション」で「ボディ」をクリック。
「ボディ編集オプションを入力」で「シェル」を選択。
「3Dソリッドを選択」でソリッドをクリック。
「面を削除」で削除する面を選択(複数可)し、エンターで決定。
「シェル オフセット距離を指定」で任意の数値(今回は3.2)を入力しエンター。
「面を削除」で選択した面が削除され、残った面のソリッドが指定した数値3.2mm内側にオフセットされます。
STEP5で「面の削除」を失敗したら「↓」でメニュー表示します。
「元に戻す」「追加」「すべて」で面を元に戻せます。
「シェル」を使う上で覚えておきたいことが以下の3項目です。
- 「シェル」を知らないと箱形状を作るのに直方体の「和合成」で作る必要があり手間
- 「シェル」は専用コマンドがないのでツールパレットに登録すると便利
- 「オフセット距離を指定」でマイナス数値入力で外側にオフセットも可能
「シェル」を使ったソリッド作成例の紹介
「シェル」を使うとどんな形状のソリッドが作れるか紹介します。
「リブ」の作り方
「直方体」を描きます。
リブの「L曲げ」以外の部分の面を削除してからオフセットすると作れます。
「箱」の作り方
「直方体」を描いて、上面だけ削除します。
その状態でオフセットすると「箱」の形状のソリッドが作れます。
「丸パイプ」の作り方
「円柱」を作り、上面と底面を削除します。
オフセットで「パイプ」の形状のソリッドが作れます。
「角パイプ」の作り方
「直方体」を作り、上面と底面を削除します。
オフセットで「角パイプ」の形状のソリッドが作れます。
直方体の角をフィレットしておけば、「シェル」使用時、フィレット形状もオフセット部に反映されます。
「半球キャップ」の作り方
「球」を作り、「スライス」で切断したソリッドの底面を削除します。
その状態でオフセットすると「半球キャップ」の形状を作れます。
「スライス」に関しては、以下の記事を参照してください。
「アキュムレータの中身」を作る
「3D回転」で「アキュームレータ」のモデルを作ります。
作成したソリッドに「シェル」を行うことで中身を空洞にできます。
この場合は削除する面がないので、面を選ばず「シェル」をすると中身だけくり貫けます
「3D回転」に関しては、以下の記事を参照してください。
アキュームのモデルをスライスで切断すると中身が空洞になっているのがわかります。
「シェル」を使うと、簡単な形状はより効率的に描けるし、中身をくり貫くような作業も簡単にできるのね。
まとめ
「シェル」の機能を使った3Dモデル作成の紹介でした。
- 「シェル」でソリッドを作る
- 「シェル」を使ったソリッド作成例
- 「シェル」を使うと簡単な形状はより効率的に描ける
- 中身をくり貫くような作業も簡単にできる
具体的なモデルの描き方を知りたい方は下記の記事もお読みください。
油圧装置を最初から最後までモデルで描く手順を説明しています。
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